ミニ四駆は知らない!!
でもこの漫画、おもしろい!
武井宏之先生の漫画大好き!ただそれだけで読みました。
シャーマンキングオタク目線で読むハイパーダッシュ!四駆郎感想です。
ミニ四駆ブームを焚きつけた徳田ザウルス先生による「ダッシュ!四駆郎」(1987年~1992年)
その実質続編が今回記述する「ハイパーダッシュ!四駆郎」です。
2015年~2021年、小学館より「コロコロアニキ」にて武井宏之先生により連載。
コロコロアニキの休刊と同時に連載終了。最終話は単行本未収録。
2025年現在、連載分は全て週刊コロコロコミックにて全話配信されています。


当記事の筆者はミニ四駆をほぼ知りません。
では、なんでこの漫画読んでるのかというと「作者のファンだから」ただその一点のみでした。
ミニ四駆は子供の頃に爆走兄弟レッツ&ゴー!!が流行っていて、そのアニメを少し見た程度。
兄弟や親戚の影響でミニ四駆を一台買ってもらった記憶はありますが、そこまでのめり込むほどではなく……
赤だったので多分こちら

(ミニ四駆だけ買ってもらってもサーキットは親戚の家にあったので走らせる場所がなかったのもある)
私はお恥かしながら徳田ザウルス先生の「ダッシュ!四駆郎」は未読の身でありました。
世代じゃなかったのも大きいですが……
しかし今回の「ハイパーダッシュ!」シリーズの感想をブログに書くにあたって徳田オリジンの「ダッシュ!」シリーズの未読はいくらなんでも失礼かなと思ったので、現在週刊コロコロコミックで読み進めている所です。

当たり前だけどめっちゃおもろいわ
かつての私と同じで「シャーマンキング好きだからハイパーダッシュ!四駆郎しか読んでないわ」という方は一度読んだ方が良いです。
びっくりするくらいおもろいわ
というかハイパーダッシュ!は実質ダッシュ!の続編っぽいのでこっちを先に読まないと理解が浅くなりそうです。
私みたいにダッシュ!未読でも読めるっちゃ読めるけど武井ファンとしてもあまりオススメはしません……
巻末のあの熱量高いエッセイ漫画を読んだからには読まねばなるまい。すみません読みます。
ハイパーダッシュ!は武井ファン目線で読むとシャーマンキングとの関連がなんとなく見受けられるので、徳田オリジンのダッシュ!を読み進めれば進めるほど最早別物の漫画のような気もするけど……
それは4巻あたりの感想でシャーマンキング考察と絡めて記述します。
今回は第一巻!ポイントは
バラバラになったダッシュ軍団の再会
彼らと敵対する組織「ダーク・ドミニオンズ(D・D)」の登場
ダッシュ軍団の新機体のお披露目です。
PHASE1:帰ってきた四駆郎!
武井節が強ぇえ~~(私は喜んでいる)
新キャラ、御前埼の存在感がありすぎるのですが、「ミニ四駆知らんぞ」のポジションのキャラクターがいることは私にとってはありがたい。
武井先生代表作のシャーマンキングではそれが小山田まん太だったし、

武井先生がキャラクター原案を手掛けたビックリメンでは主人公のヤマトがビックリマンを知らなかった。

コロコロアニキという雑誌での連載だったから、今回この「ミニ四駆知らんよ」ポジションが少年じゃなくておっさんだったんだろうなあ。
「少年少女はみんなミニ四駆持ってるぜ!」という世界観なのかもしれない。
だから「ミニ四駆知らない」は大人である必要があったのかもしれない。
皇快男児のダメ人間っぷり
先述した通り、執筆現在わたしは徳田先生版の「ダッシュ!四駆郎」を読んでいる最中で、今は進駆郎VS姫子が繰り広げられてるとこまで読めてる!
私はハイパーダッシュ!四駆郎からこの世界に入ったので、輪子ちゃんのお兄さんが「ダメな大人」ということが頭の中で前提にある状態で徳田版ダッシュ!の漫画を読んでしまう。
実際ダッシュ!の皇さんはそこまで「ダメな大人」という描かれ方はしていないように思いますが、まだ私が序盤しか読んでいないのでここから見えてくるのかもしれない……
もし皇さんがダメな人という表現がダッシュ!にないのなら、ちょっとすごいキャラ改変だな、とは思います。どうだろう……
でも確かに輪子ちゃんとはかなり年が離れていそうだし、ダッシュ!当時から就職しないでミニ四駆を作り続けたりダッシュ軍団のことばかり見ていたのだとしたら……
……「ダメ人間」なのは……間違っていないのかも……しれない……
レーサーミニ四駆
昭和の「ダッシュ!四駆郎」
平成の「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」
そして令和の「MINI4KING」

(すみません私はヨンキン未読です……)(ウチの子もまだミニ四駆で遊ぶ年齢ではないので……)
令和のミニ四駆が「レーザーミニ四駆」と呼称されているそうですが、
これって四駆郎くんが作中に言ってる「レーサーミニ四駆」とかけているのでは……と素人ながらに思います。
武井先生が考案しているミニ四駆ですし。「レーサーミニ四駆」どころか「シャーマンキング」ともかけていますからね。
現役小学生に流行っていれば良いけど……この多様性の時代、流行りが作りづらいと言われていますからね……
近所に住んでる小学生も「アニメ見ない」「流行ってるもの……特にないかなー」なんて言ってた。
かつてのダッシュ軍団の集結
私のような未読者でもわかりやすく、御前埼がメインキャラクターと出会っていきます。
ここは初見だとめちゃくちゃ助かる。
しかしダッシュ!を序盤から読みつつハイパーダッシュ!を読み返していると「みんな少しずつキャラ性が変わってない?」と思いましたね。
タンクローって「ネズミが一匹……」のようなこんな喋り方するんだ?とか
パンクローってこんな乱暴なプレーをする子なんだ?とか
輪子ちゃんは令和寄りの女子像になってて「昭和歌謡アイドル」から「みんなに会えるアイドル」みたいな雰囲気があるね?とか(これはだいぶ抽象的な例え……)
進駆郎に至っては四駆郎に負ける前は仕方ないとしても、その後も口調も含めてめちゃくちゃキャラ変わってない???
この時彼だけがミニ四駆界の危機を知ってるからかな……どこか大人っぽすぎているような……
四駆郎は一見変わっていないようにも見えますが、「てやんでえ!!」感が抜けてちょっとだけスタイリッシュになっているような。
平成後期に連載開始されている漫画なので令和に例えるのも少しずれているのですが、この2020年代に合わせた新解釈のキャラクター設定なのかなあ、と勝手に思っています。
ダッシュ!シリーズからの続編なので、各キャラクターの年齢は私が今読んでいる序盤から進んでいるのかな、とも受け取れるのでここはまだ言及しない方が良いのかな、と思いつつ、答えのない感想記事なのでありのままを書いています。
ミニ四駆走らせているレース中のテンポの良さは清々しさがありますね。
週刊少年ジャンプ出身作者が書くミニ四駆レース、こうもバトル漫画っぽく魅せてくるとは……構図がとにかく良い。
漫画なのに本当に走っているような勢いがありますね。
PHASE2:組織!ダークドミニオン
ミニ四駆を純粋に走らせて、ミニ四駆の大会が開催され、試合の後は敵も味方も関係なく「ミニ四駆楽しいーーッ!!!」で仲良く終わる。
ミニ四駆を本気で好きな者同士が競い合って、でも人間性は失われていなくて、全員に思いやりがあって、フェアな関係で……
私がダッシュ!シリーズを読んでいて現状一番好きな部分です。
さすが安心安全のコロコロコミックだぜ!
……でもハイパーダッシュ!シリーズはそうではない。
だってミニ四駆で(お察し)ですよ……
今回の敵、そもそもミニ四駆を楽しんでないじゃないですか……
ただの機械としか思っていない、そんなキャラクターってダッシュ!の後半展開に登場するんですか?
ダークドミニオン(D・D)とありますが輪子ちゃんのかつての機体「ダンシング・ドール(D・D)」と被りませんか?
だから輪子ちゃんの新機体が「DDD」になったんですか?強そうだぞ。
シャーマンキングを読んでいるとダークドミニオンがただの敵勢力とは思えない空気がプンプン。
ダークドミニオンのリーダー?にあたるMr.Gの正体もある意味丸わかりですし……
ただ
この行動を起こす目的はなんなのか
大いなる計画とはなんなのか
ダークドミニオンの真の敵はだれなのか。
だって四駆郎達を「敵視」している訳ではなく「スカウト」しに来たのですものね……
キル・クロウの登場、そんで爆発
でもキルくん達もこのダークドミニオンの真の目的は知らない……のかな。
負けたから店ごと爆発。やってることは犯罪です。そりゃモブ店員も目立ちます。
ハイパーダッシュは奪取されずに済んだようです。これが言いたかっただけなんだね……

至る所にブチ込まれる武井節……
Mr.Gの正体はお察しの通りである分、そこ以上に「なぜMr.Gがそこにいるのか」の謎が深まるトリック。
皇兄ちゃんは察してるし、四駆郎くんのバトルシーンからもフラグ全開でもう「読者は正体わかってんだろ」を全面に押し出してくるスタイル。
まさに作中で何度も言われている「わかりきった展開はいらん」にあたるわけで、だからこそ読者にはその先の謎を新しく浮上させていく。
ダッシュ!四駆郎の空気感とは全然違うけど、漫画がおもしろーい!
(私が武井ファンだからすんなり受け入れているけど本気の四駆郎ファンはどう思ってるんだ?と心配にはなる)
キル・クロウのキャラデザ好きなんですよね。
ここも武井先生のオリキャラと思いますので、シャーマンキング読んでいる身としてはどことなく馴染みのある感触があって親しみやすさがあります。
PHASE3:ライズ―皇帝は鎧を纏う―
四駆郎の愛機、エンペラーが新型にパワーアップする話ですね。


新シリーズに伴ってアイテムも新型で大活躍!というのはお約束の展開(私はセーラームーンシリーズを見て少女時代を過ごした者なり)でもテンションが一番ブチ上がる瞬間です。
単行本のおまけページにもありますが、四駆郎は自分の機体を手放す事はしない。
だから「強化パーツを使用して新型へとアップデートした」という形で新作展開を図ったわけですね。
ちなみに私はこのハイパーダッシュ!シリーズの連載を武井先生が担当すると知った瞬間にシューティングプラウドスターを購入して作りました。


ミニ四駆組み立てるのむずい。なんせ私は今までプラモを組み立てたことがなかったのだ。


フィギュアを購入したのも↓が初めてでした。


エンペラーがライズエンペラーとなって第一関門を突破するそのシーンにはとにかく勢いがありますね。
少年バトル漫画かのような魅せ方。まあバトル漫画ではあるんですけど、よくある人間同士の戦いではなく、それをミニ四駆のレースで再現できるのがすごい。
進駆郎がなにより楽しそうだわ。めちゃくちゃカッコイイことを言って優越感に浸っている。
四駆郎に新型を渡すときのセリフとかね笑
ダッシュ!でも「こういう(カッコイイセリフ)言ってみたかったんだよね~」というワンシーンがあったので、それを受け取った武井先生が「思いっきりやれーー!!!」と進駆郎に全力でやらせている、みたいな優しさを感じます。
単行本一冊通して進駆郎が他のメンバーより先回りして新情報を知っているし、ビリヤードなんかしちゃって一歩先の大人の雰囲気を出していて、なんだかもう別人か?と思わなくもないですが、
なんでかダークドミニオンが急に参上して進駆郎の家を勝手にレース会場に改造してるので、そっからはもう進駆郎はいつもの進駆郎です。おもろいわ。
(そりゃじぶんちが勝手に改造されてたら嫌だわな)
Mr.Gの正体は彼の言う通り「ここまでくれば余計なことは何も言うまい」な展開ですが、そんな彼がキル・クロウに罰を与えるようなことをするなんてなー……そんなことする人なの?という疑問はありますね……
特別掲載『拝啓 徳田ザウルス先生』
※HIROではない(私、ダンボール戦機外伝の主人公、めっちゃ好き)
シャーマンキングシリーズや武井他作品を読んでいる方なら共感頂けると思うのですが、武井先生って作品内ではほとんど自分語りをしない方なので、このような自分の事を漫画にする機会があることって激レアなんですよ。
(武井先生の師匠にあたる『るろうに剣心』の和月先生はかなりるろ剣での単行本内で自分語りしますよね)
なのでそれだけでワクワクしてしまいます。
武井先生が自分の事を漫画にしていたのはシャーマンキング35巻のおまけ漫画や、


トランヴェールの寄稿エッセイとか。


あまり多くは語らない武井先生ですが、ハイパーダッシュ!四駆郎の単行本内ではわりと露出が多いので私としてはとっても嬉しい。
(といいつつ出演作品の主張がめちゃくちゃ激しい。先生そういう所が私の推しの道蓮に似てる……クールに控えめにふるまって実は一番目立つ、みたいな……)
(こうして麻倉葉は集英社、講談社、小学館の三大出版社に掲載されたのである……)
ミニ四駆の世界を知らない私がこうしてミニ四駆について調べてみたり、実際に購入して作ったきっかけは確実に武井先生の熱量のおかげなのです。
徳田ザウルス先生のダッシュ!四駆郎もしっかり拝読したいと思います。
巻末の徳田先生の奥様のコメントも読んでいて目頭熱くなりますし……
このエッセイ漫画を読んで本家ダッシュ!を読まない訳にはいかない。まだ途中だけどおもしろいよ。
この感想記事の最終巻を更新するまでには読み終えたいですね。というか読み終えたら更新したいと思います。
次回
ちょっと待ってね

